あせも(汗疹)の原因と治療

【あせも(汗疹)の原因と治療】|医師が解説

最終更新日: 2026-04-06
📋 この記事のポイント
  • ✓ あせもは汗腺の詰まりによって発生し、種類によって症状が異なります。
  • ✓ 適切なスキンケアと環境調整が予防と治療の基本です。
  • ✓ 症状が改善しない場合は、皮膚科専門医への相談が推奨されます。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

あせもの基礎知識と治療

首や関節の皮膚に赤く小さな発疹が広がるあせもの状態
あせもの症状と治療法

あせも(汗疹)は、汗を出す管(汗管)が詰まることで汗が皮膚の表面に出られなくなり、皮膚の中に溜まって炎症を起こす状態を指します。特に高温多湿の環境下で発生しやすく、乳幼児から大人まで幅広い年齢層に見られます。

あせもとは?その種類と原因

あせもは、汗管が詰まる深さによって主に3つのタイプに分類されます。当院では、特に夏場に乳幼児の患者さまから「小さな水ぶくれができた」「赤いブツブツが広がる」といった相談を多く受けます。

あせも(汗疹)
汗を分泌する汗腺の出口が詰まり、汗が皮膚の表面に出られずに皮膚内に貯留することで生じる炎症性の皮膚疾患です。
  • 水晶様汗疹(すいしょうようかんしん):最も浅い部分で汗管が詰まるタイプです。透明で光沢のある小さな水ぶくれ(1〜2mm大)が多数発生し、かゆみや炎症はほとんどありません。新生児によく見られ、自然に治ることが多いです。医学的には「Miliaria crystallina」と呼ばれます[1][2]
  • 紅色汗疹(こうしょくかんしん):表皮の比較的深い部分で汗管が詰まるタイプです。赤みを帯びた小さなブツブツ(丘疹)が多数発生し、強いかゆみやヒリヒリとした痛みを伴うことがあります。掻きむしると悪化し、細菌感染を併発することもあります。一般的に「あせも」として認識されるのはこのタイプが多いです。
  • 深在性汗疹(しんざいせいかんしん):真皮に近い深い部分で汗管が詰まるタイプで、熱帯地域など極端な高温多湿環境でまれに見られます。皮膚と同じ色の平らな丘疹ができますが、かゆみはほとんどありません。汗が皮膚表面に出ないため、体温調節がうまくできず、熱中症のリスクが高まることがあります。

あせもの主な原因は、大量の汗と皮膚の清潔不足です。汗が蒸発せずに皮膚に長時間留まることで、汗管の出口がふやけて閉塞しやすくなります。特に、衣類による摩擦、通気性の悪い衣服、発熱、厚着などが汗管の詰まりを助長します。臨床の現場では、汗をかきやすい体質の方や、アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下している方に、あせもができやすいケースをよく経験します。

あせもの予防策とは?

あせもの予防には、汗をかきにくい環境作りと、かいた汗を適切に処理することが重要です。特に乳幼児の場合、体温調節機能が未熟なため、大人よりも注意が必要です。

  • 清潔な状態を保つ:汗をかいたら、シャワーや濡れタオルで優しく拭き取り、清潔な状態を保ちましょう。石鹸を使用する際は、刺激の少ないものを選び、よく泡立てて洗い、十分に洗い流すことが大切です。
  • 通気性の良い服装:吸湿性・速乾性に優れた綿や麻などの素材の衣類を選び、締め付けの少ないゆったりとした服装を心がけましょう。
  • 室温・湿度管理:エアコンや扇風機を適切に使用し、室温を25〜28℃程度、湿度を50〜60%程度に保つことで、過剰な発汗を抑えられます。
  • 汗を拭き取る習慣:汗をかいたら、乾いた清潔なタオルでこまめに拭き取りましょう。ゴシゴシ擦らず、優しく押さえるように拭くのがポイントです。
⚠️ 注意点

ベビーパウダーの使用は、汗と混じり合って毛穴を詰まらせる可能性があるため、使用には注意が必要です。使用する場合は、薄く均一に塗布し、汗をかいたら洗い流すようにしましょう。

あせもの治療法と市販薬の選び方

あせもの治療は、症状の程度によって異なります。軽度のあせもであれば、適切なスキンケアと環境改善で自然に治癒することが多いですが、かゆみや炎症が強い場合は薬物療法が必要となることがあります。初診時に「市販薬で様子を見たけれど、なかなか良くならない」と相談される患者さまも少なくありません。

医療機関での治療

  • ステロイド外用薬:炎症やかゆみが強い紅色汗疹に対して、医師の判断でステロイド外用薬が処方されることがあります。ステロイドは炎症を抑える効果が高く、短期間で症状の改善が期待できます。症状の重症度に合わせて、適切な強さのステロイドが選択されます。
  • 抗菌薬:掻きむしりによって細菌感染(とびひなど)を併発している場合は、抗菌薬の外用薬や内服薬が処方されることがあります。
  • 抗ヒスタミン薬:かゆみが強い場合には、内服の抗ヒスタミン薬が処方されることもあります。

市販薬の選び方

軽度のあせもであれば、市販薬で対処することも可能です。市販薬を選ぶ際は、以下の成分に注目しましょう。

  • かゆみ止め成分:ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩など。かゆみを抑える効果があります。
  • 抗炎症成分:グリチルリチン酸ジカリウム、プレドニゾロンなど。赤みや炎症を和らげます。
  • 殺菌成分:イソプロピルメチルフェノールなど。細菌の繁殖を抑え、二次感染の予防に役立ちます。

市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、悪化する場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。特に、乳幼児のあせもは悪化しやすいため、自己判断せずに専門医に相談しましょう。

項目市販薬医療機関での処方薬
主な対象軽度〜中等度のあせも中等度〜重度のあせも、感染併発時
有効成分かゆみ止め、抗炎症、殺菌成分などステロイド、抗菌薬、抗ヒスタミン薬など
強さ・種類比較的マイルド症状に応じた適切な強さ・種類の選択
専門家の診断なしあり(正確な診断と適切な処方)

実際の診療では、患者さまの生活習慣や肌質、あせもの種類や重症度を総合的に判断し、最適な治療法を提案することが重要なポイントになります。例えば、アトピー性皮膚炎を合併している場合は、あせもの治療と並行して皮膚のバリア機能改善も考慮する必要があります。

まとめ

あせもの予防や対策をまとめたチェックリストの俯瞰
あせも対策の要点

あせも(汗疹)は、汗腺の詰まりによって引き起こされる皮膚の炎症です。水晶様汗疹、紅色汗疹、深在性汗疹の3つのタイプがあり、それぞれ症状が異なります。予防には、汗をこまめに拭き取り、通気性の良い服装を心がけ、室温・湿度を適切に保つことが重要です。軽度のあせもは市販薬で対処できる場合もありますが、かゆみや炎症が強い場合、症状が改善しない場合は、皮膚科専門医の診察を受け、適切な診断と治療を受けることを推奨します。

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あせもに関する疑問を解決する医師と患者の対話風景
あせものよくある質問

よくある質問(FAQ)

あせもと湿疹の違いは何ですか?
あせもは汗腺の詰まりが直接の原因で、汗が皮膚内に貯留することで起こる一時的な炎症です。一方、湿疹はアレルギーや刺激など様々な原因で起こる皮膚炎の総称で、より広範な概念です。あせもが湿疹化することもあります。
あせもは放置しても大丈夫ですか?
軽度の水晶様汗疹であれば自然に治ることも多いですが、紅色汗疹はかゆみが強く、掻きむしることで細菌感染を併発するリスクがあります。放置すると悪化する可能性もあるため、適切なケアや治療が推奨されます。
赤ちゃんにあせもができた場合、どのようなケアが必要ですか?
赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、特に注意が必要です。こまめに汗を拭き取り、シャワーで洗い流して清潔に保ちましょう。通気性の良い肌着を選び、室温・湿度を適切に管理することも大切です。症状が改善しない場合や悪化する場合は、小児科や皮膚科を受診してください。
この記事の監修医
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倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長