掌蹠膿疱症とは
掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に水ぶくれや膿疱が繰り返しできる病気です。膿疱は好中球という白血球の一種が角層に溜まっている状態で、膿疱の中に病原菌は入っていないため、他者に移ることはありません。
厚労省のレセプトデータから国内に約14万人の患者がいると推定されています。男性より女性のほうが多く、中年以降に発症しやすいとされています。
掌蹠膿疱症の症状
手のひらや足の裏に水ぶくれや膿疱が数多くでき、その後にかさぶたとなって剥がれ落ちるという周期を繰り返します。これらの皮疹ができ始めるときにかゆみを感じる方もいます。
慢性的に経過する中で、鎖骨や胸鎖肋関節あたりが痛むことがあります。これを掌蹠膿疱症性骨関節炎と呼び、非常に強い痛みのため日常生活に支障をきたす場合があります。また、この症状を放置していると関節が変形してしまうこともあるため、早期の治療が必要になります。
掌蹠膿疱症の原因
掌蹠膿疱症の詳しい原因はわかっておりませんが、ほとんどの患者に喫煙歴があり、禁煙によって症状が軽くなるため、喫煙が関与していると考えられています。また、金属アレルギーによっても発症することがあるとされており、歯の詰物に使われるパラジウムという金属へのアレルギーがトリガーとなって掌蹠膿疱症が引き起こされた事例があります。
この他、扁桃炎や虫歯などの病巣感染が関与していることもあります。
掌蹠膿疱症の診断
掌蹠膿疱症の特徴である無菌性の水疱や膿疱の確認、白癬などとの鑑別のために皮膚生検やKOHを行うことがあります。また、合併症の有無を確認するために血液検査を行ったり、場合によっては歯科検診や金属パッチテストも実施することがあります。
また、問診や診察では喫煙歴、病巣感染を思わせる所見や治療歴(扁桃炎や歯周炎など)、前胸部痛などの骨関節症状の有無、合併症(下痢や高脂血症など)の有無や治療歴などを確認します。
掌蹠膿疱症の治療
掌蹠膿疱症はウイルスや細菌が原因で発症しているわけではないため、炎症を抑える対症療法を行うことになります。
重症度によって治療法は異なりますが、抗炎症作用のあるステロイド外用薬で治療を始めることが多いです。それでも効果があまり見られない場合は、内服薬を併用します。
ただし、あくまでも対症療法のため、原因となることが多い喫煙習慣をやめたり、扁桃腺の除去、虫歯や歯槽膿漏など病巣の治療など皮膚科領域ではない治療が有効なこともあります。
掌蹠膿疱症でお悩みなら渋谷文化村通り皮膚科
掌蹠膿疱症は見た目に悩む方や痒みに悩む方が多くいらっしゃいます。また、掌蹠膿疱症に似た別の病気の可能性もあるため、症状が気になったらできるだけ早く受診することをおすすめします。
当院では患者さまの状態に合わせて最適な治療をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。