湿疹とは
湿疹は、皮膚表層に生じる炎症の総称です。ほとんどの方が何らかの形で湿疹ができたことがあると思います。赤みが出たりカサカサしていたりと症状は様々で、正しい治療を行わないと色素沈着を起こして跡になってしまうこともあるため、早めの治療が大事です。
湿疹の症状
湿疹を引き起こしている原因や、炎症の程度によって症状が変わってきます。具体的には下記のような症状が見られます。
- 皮膚の赤み
- カサカサ・ザラザラ
- ブツブツ
- 水ぶくれ
- 膿疱
- ただれ、ジュクジュク(湿潤)
湿疹が繰り返しできて慢性化すると、皮膚が乾燥してゴワゴワとした状態になることもあります。
湿疹の原因
湿疹には内的因子と外的因子があり、それらが組み合わさって発症します。
原因をはっきりと特定するのは難しいケースがほとんどです。
内的因子 | 発汗、皮脂分泌、アトピー素因など |
外的因子 | ハウスダスト、花粉 、細菌、真菌、薬剤、化学物質、衣類の摩擦など |
皮膚には「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層があり、それぞれが体に異物が侵入するのを防ぐバリアになっています。これらが何らかの刺激や物質によって異物を防ぎきれずに発症するのが湿疹や皮膚炎です。
湿疹の種類
湿疹には様々な種類があります。主なものをご紹介します。
かぶれ(接触皮膚炎)
原因物質が接触した部位に、比較的境界がはっきりとした炎症が見られます。
かぶれには大きく下記の2種類があります。
- 刺激性接触皮膚炎:
誰にでも生じる可能性のある皮膚炎。昆虫、化学薬品、洗剤などで発症。 - アレルギー性接触皮膚炎:
特定の物質にアレルギー反応を起こす人だけに生じる皮膚炎。植物、金属、化粧品などで発症。
手湿疹(主婦湿疹)
手指や手のひら、手首に赤みや水ぶくれ、ひび割れなどが生じるものです。洗剤を多く使ったり、水回りで作業することの多い方に起こりやすい症状です。
以前は主婦の方に多く見られたため主婦湿疹という別名ができましたが、美容師、看護師、介護士などにも多い症状です。
また、コロナ禍で外出先でアルコール消毒を頻繁に使うようになった影響もあり、手湿疹にお悩みの方は増えていると思われます。
手湿疹が悪化してひび割れなどが起こると、そこから細菌感染を起こすこともあります。
汗疱(異汗性湿疹)
手足にできる汗疹のことです。皮膚に小さな水ぶくれが見られ、経過するとかゆみが出てきたり白く濁ってくるなどの症状が見られます。その後、皮がむけてきたりします。
汗疱がある状態で洗剤等を使っていると、手湿疹も併発することがあります。
脂漏性湿疹
皮脂の過剰分泌やホルモンバランスの乱れにより発症します。頭や、髪の生え際、眉、鼻、耳まわりなど、皮脂の分泌が盛んな部位にできやすいです。
マラセチアというカビ(真菌)が原因と言われており、思春期から中高年にかけての男性によく見られます。
皮脂欠乏性湿疹
加齢や乾燥などによって肌が敏感になり、刺激によって湿疹が生じる病気です。かゆみを伴うことが多いです。
エアコンの使い過ぎ、過度な手洗い、入浴時にナイロンタオルでの洗いすぎなども皮脂欠乏性湿疹の原因になります。
アトピー性皮膚炎
かゆみを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったりを慢性的に繰り返す病気です。
皮膚のバリア機能の低下、免疫学的要因が重なったところに、さまざまな刺激が加わることで発症します。
湿疹の治療
湿疹は様々な原因で発症しますが、いずれも皮膚表面が炎症を起こしている状態です。抗炎症作用のあるステロイド外用薬を使用して炎症を抑えます。
また、原因によっては抗アレルギー薬や保湿剤を併用して治療することもあります。
その他、そもそも特定の物質が湿疹の原因になっている場合はそれを避けるようにしたり、接触回数を減らせるように指導します。
湿疹にお困りなら渋谷文化村通り皮膚科
湿疹は非常に多くの方が悩む病気で、症状も治療法も様々です。また、そもそも真菌などが原因の別の病気の可能性もあるため、セルフケアでは治らないこともあります。
当院では患者さまの症状に応じてオーダーメイドでお薬を処方します。また、他の病気の可能性も考慮して鑑別のための検査も実施しているため、少しでも湿疹が気になったらお気軽にご相談ください。