トランサミンとは
トランサミン(一般名:トラネキサム酸)は、タンパク質を構成する必須アミノ酸リシンをベースに人工合成されたアミノ酸の一種です。もともとは出血性疾患や炎症性疾患に使われてきましたが、近年は美白効果に着目して美容目的での処方も行われています。
トランサミンの効果・効能
トランサミンは「プラスミン」という酵素の働きを抑制する効果があります。プラスミンには下記の効果があります。
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血液が固まるのを防ぐ
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炎症反応やアレルギー反応に関与する
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シミの原因になるメラノサイトを活性化する
これらの効果を持つプラスミンをブロックすることで、止血作用、抗炎症作用、シミ予防が期待できるのです。
ただし効果はマイルドなため、他の薬と併用するのが一般的です。
トランサミンの使用方法
トラネキサム酸として、1日750〜2000mgを3〜4回に分割経口投与します。
なお、年齢、症状により適宜増減するため、医師の指示通りに服用するようにしてください。
トランサミンの副作用
主な副作用
食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、胸やけ、過敏症、そう痒感、発疹、眠気などが見られることがあります。
重大な副作用
頻度は不明ですが人工透析患者において痙攣が起きることがあります。
トランサミンが使えない方
脳梗塞・狭心症、心筋梗塞・腎不全・血症性静脈炎などの既往症、もしくはそれらのリスクがあると診断されている方は服用できません。
トランサミンには上述の通り止血作用があります。つまり血液が固まりやすくなるため、血栓が原因になりやすい病気の既往歴がある場合は使用できません。
また、ピルを服用されている方にも注意が必要です。併用が禁止されているわけではありませんが、ピルも血栓症リスクが高まるという報告がされているため、トランサミンの併用には慎重な判断が必要になります。
トランサミン 臨床効果
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向及び局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血〉
17.1.1 国内一般臨床試験
全身性線溶亢進が関与すると考えられる白血病、再生不良性貧血、紫斑病等の出血傾向及び肺出血、性器出血、腎出血、手術中・術後等の異常出血に対する止血効果は73.6%(2,063/2,802例)に認められた。
〈湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹における紅斑・腫脹・そう痒等の症状〉
17.1.2 国内一般臨床試験
皮膚疾患(湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹等)の患者223例を対象にした一般臨床試験では、そう痒、腫脹、紅斑等の症状に対する効果は60.5%(135/223例)に認められた。
よくある質問
トランサミンはすでにあるシミの治療に使えますか?
抗炎症作用があるため今のシミを薄くする効果も期待できますが、どちらかと言うと新たなシミを予防するという観点でより有効です。
トランサミンはシミの原因となるメラノサイトの活性化因子(プラスミンやプロスタグランジン)を阻害するため、メラニンを生成する前段階でブロックする効果があります。つまりトランサミンの作用機序から、予防のほうが有効なのです。
トランサミンは肝斑にも使えますか?
使用可能です。トランサミンは肝斑治療に長く使われてきました。もっとも、他の要因(紫外線など)の対策も並行することが治療上は重要です。
トラネキサム酸の市販薬と処方薬の違いはなんですか?
トランサミンに含まれるトラネキサム酸は市販薬としても販売されています。内服薬の他に化粧品にも含まれていることが多くなっています。
そもそも市販薬と処方薬の違いは有効成分の含有量です。市販薬はどのような方が使っても重大な副作用がほとんど起こらない濃度になっています。そのため効果もマイルドです。処方薬は有効成分の含有量が多く、効果も強い反面、副作用のリスクも高まります。そのため医師が診断して問題ない場合にのみ処方されます。