真菌症(白癬・カンジダ・マラセチア)

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真菌症(白癬・カンジダ・マラセチア)

皮膚真菌症とは

真菌はカビのことで、皮膚に真菌が増殖することでかゆみや赤みを生じる症状が出ることがあります。これらを皮膚真菌症といい、真菌の種類によってさらに細かく分類されます。

この記事では代表的な真菌症である水虫(白癬)、カンジダ症、マラセチア(癜風)について解説します。

水虫(足・爪白癬)

水虫はカビの一種である皮膚糸状菌(白癬菌)によって引き起こされます。この菌は皮膚の角質層に含まれるケラチンを栄養源に増殖するため、粘膜を除く全身の皮膚や毛、爪に発生します。

足に感染したものを水虫と呼びます。

水虫(白癬)の原因

白癬菌は患部の皮膚片に潜んでいます。他者からの感染機会としては下記が挙げられます。

  • 公衆浴場・サウナの脱衣所
  • スポーツ施設(ジム、プールなど)
  • 家庭内のスリッパやバスマット

これらはいずれも白癬菌が繁殖しやすい環境のため注意が必要です。

また、白癬菌は犬や猫など動物にも感染します。そのため、ペットと遊んだ後にしっかりと手を洗ったりしないと感染することがあります。

この場合は主に顔や手腕、髪の毛などに感染することが多いです。

水虫(白癬)の症状

水虫の症状は人によって異なりますが、主に次のような症状が見られます。

  • 足の指の間の皮膚が白くなってポロポロと剥がれ落ちる
  • かゆみを伴い、ジュクジュクとした見た目になることもある
  • 小さな水疱ができ、皮が剥ける
  • 夏に悪化し、冬は症状が落ち着く

この他、爪にできる「爪白癬」や手にできる「手白癬」、腰や尻などにできる「体部白癬」があります。爪が白く濁ってきたり、手に水疱ができたり、体に環状の赤斑などが見られる場合は白癬菌が原因の可能性があります。

この他、股部白癬(インキンタムシ)などもあり、多くの場合かゆみを伴います。

水虫(白癬)の診断・検査

皮膚や爪の表面を軽く擦ったりピンセットで採取し、水酸化カリウム(KOH)を用いて角質を溶かし、顕微鏡で観察します。糸状の節のある白癬菌が認められれば確定診断となります。検査時間は数分程度です。保険適用の検査ですのでご安心ください。

検査の結果白癬ではないケースもありますが、いずれにせよ検査をすることで適切な治療へとつながるため、症状に気づいたら早めに受診することをおすすめします。

水虫(白癬)の治療

主に抗真菌外用薬を用いて治療を行いますが、場合によっては抗真菌内服薬も処方されることがあります。患部の範囲などによって治療薬が使い分けられます。

市販薬でのセルフケアが可能なケースもありますが、基本的に処方薬のほうが有効成分も多く含まれているため、効果も高いです。

治療期間は患部により異なります。足の水虫であれば1ヶ月程度、爪白癬に関しては平均して6ヶ月以上かかるため、根気強く治療を続けましょう。

カンジダ症

カンジダ症は女性によく見られる病気の1つで、カンジダ菌という真菌の一種が原因です。

男性でも発症することはあります。

カンジダの原因

カンジダは性行為で移るほか、常在菌による自己感染が多い病気です。

通常は膣内に生息する善玉菌(デーデルライン桿菌)が病原菌を防ぐバリアとなっているのですが、風邪による免疫低下や抗生剤の服用によって善玉菌まで死滅させてしまうことがあり、結果としてカンジダになってしまうことがあります。カンジダを疑って受診すると抗生剤の使用を聞かれることがあるのはこのためです。

また、ピルの使用もカンジダを発症しやすくします。女性ホルモンのエストロゲンがカンジダのリスクになることがわかっており、妊娠中やピル服用中はカンジダになりやすいです。

そのほか、通気性の悪い下着の着用が原因となることもありますし、膣をアルカリ性石鹸で洗いすぎていることが原因となることもあります。

カンジダの症状

カンジダの主な症状は、性器周辺の痒みや発疹、白っぽいおりものなどです。

また、排尿時や性交時に痛みが出ることもあります。

カンジダの診断・検査

膣分泌物(おりもの)を採取して顕微鏡で検査をします。数分で検査は終わり、基本的にはその場で診断ができます。

カンジダの治療

カンジダは抗真菌薬を用いて治療します。内服薬を処方することが多いですが、強いかゆみや炎症が見られる人は外用薬を処方する場合もあります。

治療から数日で症状は良くなり、1週間程度で完治することがほとんどです。

マラセチア(癜風)

マラセチアは真菌の一種で、人の皮膚に広く存在します。何らかの原因で異常に繁殖してしまうと、皮膚にまだら状の病変が見られるようになります。

マラセチアの原因

マラセチアは皮脂を好み、皮脂の分泌の盛んな20~30代に多く発症します。高温多湿の環境が悪化因子となるため、主に夏に悪化する方が多いです。

マラセチアの症状

胸や背中、首、脇の下などに茶色、白色、紅色の斑が多発します。かゆみを伴うこともあります。また、病変部をこすると細かいフケのようなもの(粃糠様鱗屑)が取れることがあります。

マラセチアの診断

病変部から採取された鱗屑を顕微鏡で観察し、マラセチア菌がいるかどうかを確認します。

マラセチアの治療

基本的には抗真菌薬の外用薬で治療します。通常数週間で改善しますが、広範囲に広がっている場合や再発する場合は抗真菌薬の内服薬を用いて治療することもあります。

皮膚真菌症でお悩みなら渋谷文化村通り皮膚科

当院では皮膚真菌症(白癬・カンジダ・マラセチア)の治療を行っています。真菌症は痒みを伴うことが多く、家族やパートナーに移してしまうことがあるため、早めの治療を心がけましょう。当院でも保険適用で治療を行っているため、お気軽にご相談ください。

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