- ✓ しわは加齢や紫外線、乾燥など複数の要因が絡み合って発生します。
- ✓ 種類に応じた適切なスキンケアと美容医療の選択がしわ改善の鍵です。
- ✓ 専門医による診断と治療計画が、効果的かつ安全なしわ対策につながります。
しわは、皮膚の表面に現れる溝や折り目のことで、見た目の印象に大きく影響します。その発生には、加齢による肌の構造変化だけでなく、紫外線や生活習慣など様々な要因が複雑に絡み合っています。適切な対策を講じるためには、まずしわの種類と原因を正確に理解することが重要です。
しわの種類と原因とは?

しわは、その深さや発生部位、主な原因によっていくつかの種類に分類されます。大きく分けて、表皮性のしわ、真皮性のしわ、表情じわの3つが挙げられます。
しわができる主な原因は?
しわの形成には、内因性要因(加齢など)と外因性要因(紫外線など)の両方が関与しています。これらが複合的に作用することで、皮膚の構造が変化し、しわとして現れます[3]。臨床の現場では、初診時に「いつの間にかしわが増えていて、何が原因か分からない」と相談される患者さまも少なくありません。
1. 加齢による影響(内因性老化)
加齢は、しわの最も主要な内因性原因です。年齢を重ねるにつれて、皮膚の構造を支える重要な成分が減少・変性します。具体的には、皮膚の弾力性を保つコラーゲンやエラスチンといった線維が減少し、その質も低下します。また、皮膚の水分保持能力を担うヒアルロン酸も減少し、肌の乾燥が進みやすくなります[1]。これらの変化により、皮膚はハリや弾力を失い、たるみやしわが生じやすくなります。
- コラーゲン
- 皮膚の真皮層の約70%を占めるタンパク質で、皮膚のハリや弾力を保つ重要な役割を担っています。
- エラスチン
- コラーゲンとともに真皮に存在し、ゴムのような弾力性を持つタンパク質です。皮膚の伸縮性を保つ上で不可欠です。
- ヒアルロン酸
- 皮膚の真皮に存在するムコ多糖類の一種で、高い保水力を持つことで知られています。皮膚の潤いや柔軟性を維持します。
2. 紫外線による影響(光老化)
紫外線(UV)は、しわの発生を加速させる最も強力な外因性要因の一つであり、「光老化」と呼ばれます[3]。特にUVAは真皮深くまで到達し、コラーゲンやエラスチンを分解する酵素の活性を高めます。これにより、皮膚の弾力線維が破壊され、深いしわやたるみが生じやすくなります。当院では、紫外線対策を怠っていた患者さまが、同年代の方よりも深いしわに悩まされているケースをよく経験します。
3. 乾燥
皮膚の乾燥は、バリア機能の低下を招き、細かなしわ(ちりめんじわ)の原因となります。皮膚の角質層の水分が不足すると、肌の表面がカサつき、柔軟性が失われます。これにより、皮膚が外部刺激を受けやすくなり、小じわが目立つようになります。特に目元や口元など、皮膚が薄く動きが多い部位は乾燥しやすく、しわができやすい傾向があります。
4. 表情筋の動き
表情筋の繰り返しによる動きは、特定の部位にしわを刻み込みます。例えば、眉間のしわ(眉をひそめる)、目尻のしわ(笑う)、額のしわ(目を見開く)などがこれにあたります。若いうちは皮膚の弾力性があるため、表情を戻せばしわも消えますが、加齢とともに皮膚の弾力性が失われると、これらのしわが固定化されてしまいます。
5. 生活習慣
喫煙は、皮膚の血流を悪化させ、コラーゲンの生成を阻害し、分解を促進することでしわを深くします。また、睡眠不足や不規則な生活、栄養バランスの偏り、過度なストレスなども、肌のターンオーバーの乱れや酸化ストレスを増加させ、しわの発生を助長すると考えられています。
しわの種類と特徴
しわは、その原因や深さによっていくつかのタイプに分けられます。それぞれの特徴を理解することで、より効果的な対策を検討できます。
- 表皮性のしわ(ちりめんじわ): 主に乾燥が原因で、皮膚の表面にできる浅くて細かいしわです。目元や口元にできやすく、保湿ケアで改善が期待できます。
- 真皮性のしわ: 加齢や紫外線によるコラーゲン・エラスチンの変性が原因で、皮膚の真皮層にまで達する深いしわです。ほうれい線やマリオネットラインなどが典型例です。
- 表情じわ: 表情筋の繰り返しによる動きによってできるしわです。額の横じわ、眉間の縦じわ、目尻の笑いじわなどが代表的です。真皮性のしわと複合することもあります。
これらのしわは単独で現れるだけでなく、複合的に存在することも多く、個々の状態に合わせたアプローチが求められます。
しわの美容医療とは?

しわの治療には、セルフケアでは対応しきれない深いしわや、特定の原因によるしわに対して、美容医療が有効な選択肢となります。美容医療は、しわの種類や深さ、患者さまの希望に応じて多様な方法が提供されています。実際の診療では、患者さまのライフスタイルやダウンタイムの許容度も考慮しながら、最適な治療法をご提案することが重要なポイントになります。
しわの美容医療の種類と特徴
しわの美容医療には、注射による治療、レーザー治療、外科的治療など、様々なアプローチがあります。それぞれの治療法にはメリットとデメリットがあり、専門医との相談を通じてご自身に合った方法を選ぶことが大切です。
1. 注射による治療
注射による治療は、比較的手軽に受けられるため、当院でも特に人気の高い治療法です。
- ボツリヌストキシン注射: 表情じわの改善に特に効果的です。表情筋の動きを一時的に抑制することで、しわの形成を防ぎ、既存のしわを目立たなくします。効果は通常3〜6ヶ月程度持続します。
- ヒアルロン酸注入: ほうれい線やマリオネットライン、目の下のくぼみなど、加齢によるボリュームロスや深いしわの改善に用いられます。ヒアルロン酸を直接注入することで、皮膚の内側からしわを持ち上げ、ふっくらとした状態に戻します。効果は製品や注入部位によりますが、半年から1年半程度持続することが多いです。
2. レーザー・光治療
レーザーや光治療は、肌の再生を促し、全体的な肌質の改善と同時にしわの軽減を目指します。治療を始めて数ヶ月ほどで「肌にハリが出てきた」「化粧ノリが良くなった」とおっしゃる方が多いです。
- フラクショナルレーザー: 微細なレーザーを照射し、皮膚に小さな穴を開けることで、自然治癒力を利用してコラーゲン生成を促進します。深いしわや肌の凹凸の改善に期待できます。
- IPL(光治療): 広範囲の波長の光を照射し、肌全体のトーンアップや小じわの改善、シミ・そばかすの軽減にも効果が期待できます。
- 高周波(RF)治療: 高周波エネルギーを皮膚深部に届け、熱刺激によりコラーゲンを収縮させ、新たなコラーゲン生成を促します。たるみ改善と同時にしわの軽減を目指します。
3. その他の治療法
- ケミカルピーリング: 特殊な薬剤を塗布し、古い角質を除去することで肌のターンオーバーを促進し、小じわやくすみを改善します。
- スレッドリフト(糸リフト): 特殊な医療用の糸を皮下に挿入し、たるみを引き上げることで、しわを目立たなくします。即効性が期待でき、持続期間は糸の種類によります。
- 外科手術(フェイスリフトなど): 重度のたるみや深いしわに対して、余分な皮膚を切除し、SMAS(表在性筋腱膜系)を引き上げることで、根本的な改善を目指します。効果は長期にわたりますが、ダウンタイムが長く、費用も高額になる傾向があります。
しわ治療の比較
しわの治療法は多岐にわたるため、ご自身のしわの種類や状態、期待する効果、ダウンタイムの許容度などを考慮して選択することが重要です。以下に主な治療法の比較を示します。
| 治療法 | 主な対象しわ | 効果の持続期間(目安) | ダウンタイム(目安) |
|---|---|---|---|
| ボツリヌストキシン注射 | 表情じわ(額、眉間、目尻) | 3〜6ヶ月 | ほぼなし |
| ヒアルロン酸注入 | 深いしわ(ほうれい線、マリオネットライン)、ボリュームロス | 半年〜1年半 | 数日〜1週間(腫れ、内出血) |
| フラクショナルレーザー | 深いしわ、肌の凹凸、全体的な肌質改善 | 数ヶ月〜1年(複数回治療で持続) | 数日〜1週間(赤み、かさぶた) |
| 高周波(RF)治療 | たるみによるしわ、肌の引き締め | 半年〜1年 | ほぼなし〜数日(軽度の赤み) |
美容医療は、個人の体質やしわの状態によって効果やリスクが異なります。治療を受ける前には、必ず専門医によるカウンセリングを受け、十分な説明を聞いた上で、ご自身に合った治療法を選択することが重要です。また、治療によってはダウンタイムや副作用が生じる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ

しわは、加齢、紫外線、乾燥、表情筋の動き、生活習慣など、様々な要因が複合的に絡み合って発生します。表皮性の浅いしわから真皮性の深いしわ、そして表情筋の動きによってできる表情じわまで、その種類は多岐にわたります。しわの予防には、日々の紫外線対策や保湿ケア、健康的な生活習慣が不可欠です。しかし、一度できてしまったしわや、セルフケアでは改善が難しいしわに対しては、美容医療が有効な選択肢となります。ボツリヌストキシン注射、ヒアルロン酸注入、レーザー治療、高周波治療など、しわの種類や深さに応じて様々な治療法が存在します。それぞれの治療法には特徴があり、効果の持続期間やダウンタイムも異なります。ご自身のしわの状態や期待する効果、ダウンタイムの許容度などを考慮し、専門医との十分なカウンセリングを通じて、最適な治療法を選択することが大切です。エビデンスに基づいた適切な治療と継続的なケアによって、しわの改善と若々しい肌の維持が期待できます。
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- Françoise Boismal, Kevin Serror, Gabor Dobos et al.. [Skin aging: Pathophysiology and innovative therapies].. Medecine sciences : M/S. 2021. PMID: 33296633. DOI: 10.1051/medsci/2020232
- Shoubing Zhang, Enkui Duan. Fighting against Skin Aging: The Way from Bench to Bedside.. Cell transplantation. 2019. PMID: 29692196. DOI: 10.1177/0963689717725755
- Ramadan S Hussein, Salman Bin Dayel, Othman Abahussein et al.. Influences on Skin and Intrinsic Aging: Biological, Environmental, and Therapeutic Insights.. Journal of cosmetic dermatology. 2025. PMID: 39604792. DOI: 10.1111/jocd.16688
- Naoki Ito, Shinobu Seki, Fumitaka Ueda. The Protective Role of Astaxanthin for UV-Induced Skin Deterioration in Healthy People-A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial.. Nutrients. 2018. PMID: 29941810. DOI: 10.3390/nu10070817
- アルツディスポ(ヒアルロン)添付文書(JAPIC)
