巻き爪・陥入爪の原因と治療

【巻き爪・陥入爪の原因と治療法】|医師が解説

最終更新日: 2026-04-06
📋 この記事のポイント
  • ✓ 巻き爪と陥入爪は異なる病態であり、それぞれ適切な診断と治療が必要です。
  • ✓ 不適切な爪切り、合わない靴、外傷などが主な原因として挙げられます。
  • ✓ 保存的治療から外科的治療まで、症状の重症度に応じて多様な治療法が選択されます。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

巻き爪・陥入爪の基礎知識と治療

巻き爪と陥入爪の症状、原因、適切な治療法を解説する専門家
巻き爪・陥入爪の基礎知識と治療

巻き爪と陥入爪は、足の爪に発生する一般的な疾患ですが、その病態や治療法には違いがあります。適切な診断と治療を行うことで、症状の改善と再発予防が期待できます。

巻き爪(Pincer nail)とは
爪が横方向に過度に湾曲し、筒状に変形する状態を指します。爪の先端だけでなく、根元から全体的に巻いていることもあります。痛みがない場合もありますが、進行すると周囲の皮膚を圧迫し、炎症や痛みを引き起こすことがあります[1]
陥入爪(Ingrown toenail)とは
爪の縁が周囲の皮膚に食い込み、炎症や痛みを引き起こす状態です。多くの場合、足の親指に発生し、赤み、腫れ、痛み、時には化膿を伴います[2]。巻き爪が陥入爪の原因となることもあります。

巻き爪・陥入爪の主な原因とは?

巻き爪や陥入爪は、複数の要因が複合的に作用して発生することが多いです。臨床の現場では、初診時に「なぜこんなことになったのかわからない」と相談される患者さまも少なくありませんが、多くの場合、日常生活の中に原因が潜んでいます。

  • 不適切な爪切り: 爪を短く切りすぎたり、深爪をしたり、爪の角を丸く切りすぎたりすると、爪が皮膚に食い込みやすくなります。特に、爪の先端を直線ではなくV字に切る「バイアス切り」は、陥入爪のリスクを高めることが知られています。
  • 合わない靴: 先の細い靴やヒールの高い靴、サイズが合わない靴を履き続けると、足の指が圧迫され、爪が変形したり皮膚に食い込んだりしやすくなります。当院では、特に女性の患者さまにヒール靴が原因となっているケースをよく経験します。
  • 外傷・圧迫: 足の指への外力(ぶつける、踏まれるなど)や、スポーツ活動による繰り返しの圧迫も原因となります。特にサッカーなどの競技では、爪への負担が大きくなりがちです。
  • 遺伝的要因・体質: 爪の形状や硬さ、足の指の骨格などが遺伝的に巻き爪になりやすい体質の人もいます。
  • 疾患・薬剤: 糖尿病や末梢血管疾患、一部の抗がん剤治療などが爪の成長や形状に影響を与え、巻き爪や陥入爪のリスクを高めることがあります。
  • 加齢: 加齢に伴い、爪が厚くなったり硬くなったりすることで、巻き爪になりやすくなる傾向があります。

巻き爪・陥入爪の治療法にはどのような種類がありますか?

巻き爪・陥入爪の治療は、症状の重症度や原因に応じて多岐にわたります。保存的治療から外科的治療まで、患者さま一人ひとりの状態に合わせたアプローチが重要です。

保存的治療

比較的軽度な症状や、炎症が少ない場合にまず試される治療法です。日常生活でのケアが中心となります。

  • 正しい爪切り: 爪を短く切りすぎず、爪の先端をまっすぐに保つ「スクエアオフ」と呼ばれる切り方が推奨されます。爪の角を皮膚より少し長めに残すことで、食い込みを防ぎます。
  • テーピング療法: 爪の食い込んでいる部分の皮膚をテープで引っ張り、爪と皮膚の間に隙間を作ることで、圧迫を軽減し炎症を抑えます。
  • コットンパッキング: 爪の食い込んでいる部分と皮膚の間に少量のコットンやガーゼを詰めることで、爪の食い込みを和らげます。
  • 装具療法(矯正治療): 爪の表面に特殊なプレートやワイヤーを装着し、その張力や弾力で爪の過度な湾曲を矯正する方法です。様々な種類の装具があり、症状や爪の状態に応じて選択されます。治療を始めて数ヶ月ほどで「痛みが和らいできた」「爪の形が改善してきた」とおっしゃる方が多いです。
  • 内服薬・外用薬: 炎症や感染を伴う場合には、抗生物質や消炎鎮痛剤の内服、または抗菌薬やステロイド外用薬が処方されることがあります。

外科的治療

保存的治療で改善が見られない場合や、炎症・感染が重度で日常生活に支障をきたしている場合に検討されます。外科的治療は、陥入爪の再発率を低下させる効果が報告されています[3]

  • 部分抜爪術(Partial Nail Avulsion): 食い込んでいる爪の一部を切除する方法です。局所麻酔下で行われ、比較的短時間で終了します。爪の食い込みによる痛みや炎症を迅速に軽減する効果が期待できます[4]
  • フェノール法(Phenol Matricectomy): 部分抜爪術と同時に、爪の根元にある爪母(爪を作る組織)の一部をフェノールという薬剤で焼灼し、食い込む部分の爪が生えてこないようにする方法です。再発率が低いとされています[2]
  • その他の外科的治療: 爪母の切除や、皮膚の形成術など、より複雑な手術が必要となるケースもあります。これらは、重度の巻き爪や再発を繰り返す陥入爪に対して検討されます[1]
⚠️ 注意点

自己判断での処置は、感染症の悪化や症状の進行を招く可能性があります。市販の巻き爪ケア用品を使用する際も、必ず医師や専門家の指導のもとで行うようにしてください。特に糖尿病などの基礎疾患がある場合は、足のトラブルが重症化しやすいため、早期の受診が重要です。

治療法ごとの特徴を比較してみましょう

巻き爪・陥入爪の治療法には、それぞれメリットとデメリットがあります。実際の診療では、患者さまの症状の程度、生活習慣、希望などを総合的に考慮し、最適な治療法を提案しています。

治療法メリットデメリット
正しい爪切り・生活習慣改善自宅で実践可能、費用負担が少ない効果発現に時間がかかる、重症例には不向き
テーピング・コットンパッキング手軽に試せる、痛みの緩和が期待できる根本治療ではない、継続が必要
装具療法(矯正治療)痛みが少なく、爪を抜かずに矯正できる治療期間が長い、自費診療の場合が多い
部分抜爪術痛みの即時的な軽減、短時間で終了再発の可能性あり、一時的な痛みや出血
フェノール法再発率が低い、根本的な治療が期待できる術後の回復期間が必要、爪幅が狭くなる可能性

どの治療法を選択するかは、医師と十分に相談し、ご自身のライフスタイルや症状の進行度、再発リスクなどを考慮して決定することが重要です。実際の診療では、患者さまの足の状態を細かく診察し、治療後の生活まで見据えた上で、最適なプランを一緒に考えていくことが重要なポイントになります。

まとめ

巻き爪・陥入爪の予防と治療の要点をまとめたチェックリスト
巻き爪・陥入爪の治療と予防のまとめ

巻き爪と陥入爪は、足の指に痛みや炎症を引き起こす一般的な疾患であり、不適切な爪切りや合わない靴、外傷などが主な原因となります。これらの症状は放置すると悪化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。治療法は、保存的治療から外科的治療まで多岐にわたり、症状の重症度や患者さまの状況に応じて選択されます。正しい知識を持ち、早期に医療機関を受診することで、適切な診断と治療を受け、症状の改善と再発予防に繋げることが可能です。自己判断での処置は避け、専門医に相談することが重要です。

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巻き爪・陥入爪に関する患者からのよくある質問と専門医の回答
巻き爪・陥入爪のよくある質問

よくある質問(FAQ)

巻き爪と陥入爪は同じ病気ですか?
いいえ、巻き爪と陥入爪は異なる病態です。巻き爪は爪が横方向に湾曲する変形を指し、陥入爪は爪の縁が皮膚に食い込み炎症を起こす状態を指します。ただし、巻き爪が進行して陥入爪を引き起こすこともあります。
自分で巻き爪を治すことはできますか?
軽度の巻き爪であれば、正しい爪切りや適切な靴選び、テーピングなどで症状が改善する可能性はあります。しかし、自己判断での無理な処置は、かえって症状を悪化させたり感染症を引き起こしたりするリスクがあります。痛みや炎症がある場合は、必ず医療機関を受診してください。
治療にかかる期間はどのくらいですか?
治療期間は、症状の重症度や選択する治療法によって大きく異なります。保存的治療では数週間から数ヶ月、装具療法では数ヶ月から1年以上かかることもあります。外科的治療の場合、手術自体は短時間で終わりますが、術後の回復期間や経過観察が必要です。医師と相談し、具体的な治療計画を確認してください。
巻き爪・陥入爪の予防策はありますか?
はい、いくつかの予防策があります。最も重要なのは、爪を正しく切ること(深爪をせず、先端をまっすぐに保つ「スクエアオフ」)。また、足に合った靴を選び、指先に負担をかけないことも大切です。長時間の立ち仕事やスポーツをする場合は、クッション性のある靴やインソールを使用することも有効です。
この記事の監修医
👨‍⚕️
倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長