虫刺されの種類と対処法

【虫刺されの種類と対処法】|専門医が解説

最終更新日: 2026-04-06
📋 この記事のポイント
  • ✓ 虫刺されは種類によって症状や適切な対処法が異なります。
  • ✓ 症状が重い場合やアレルギー反応が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
  • ✓ 適切な応急処置と予防策を知ることで、虫刺されのリスクを減らし、症状を軽減できます。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

虫刺されは、日常生活でよく遭遇する皮膚トラブルの一つです。しかし、刺された虫の種類によって症状の現れ方や重症度が異なり、適切な対処法も変わってきます。ここでは、一般的な虫刺されの種類とその症状、そして効果的な対処法について詳しく解説します。

虫刺されの種類と治療

蚊、ダニ、蜂など代表的な虫刺されの症状と皮膚の反応
主な虫刺されの症状と種類

虫刺されは、昆虫が皮膚を刺したり噛んだりすることで、その毒性物質や唾液成分が体内に侵入し、免疫反応を引き起こす現象です。蚊、ハチ、ダニ、ノミなど、さまざまな虫が原因となり、それぞれ特徴的な症状と治療法があります。

蚊に刺された場合

蚊は、メスの蚊が吸血する際に唾液を注入することで、かゆみや赤み、腫れを引き起こします。唾液に含まれる成分に対するアレルギー反応によって症状が現れるため、個人差が大きいのが特徴です。当院では、蚊に刺されて強いかゆみや腫れを訴える患者さまが多くいらっしゃいます。

症状と対処法

  • 症状: 赤く腫れ上がり、強いかゆみを伴います。症状は数時間から数日で治まることがほとんどです。
  • 応急処置: 患部を清潔な水で洗い、冷やすことでかゆみや腫れを和らげることができます。市販のステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の塗布も有効です。かきむしると症状が悪化し、二次感染を引き起こす可能性があるため、避けるようにしましょう。
  • 医療機関での治療: 症状が強い場合や、広範囲にわたる場合は、皮膚科でより強力なステロイド外用薬や内服の抗ヒスタミン薬が処方されることがあります。

ハチに刺された場合

ハチ刺されは、蚊刺されとは異なり、毒針から注入される毒液によって強い痛みや腫れを引き起こします。特にアナフィラキシーショックという重篤なアレルギー反応を起こす可能性があるため、注意が必要です。臨床の現場では、ハチ刺されによるアナフィラキシーの緊急対応を経験することがあります[5]

症状と対処法

  • 症状: 刺された直後から激しい痛み、赤み、腫れが現れます。毒性の強いハチ(スズメバチなど)に複数回刺された場合や、アレルギー体質の方は、全身症状(じんましん、呼吸困難、意識障害など)であるアナフィラキシーショックを起こす危険性があります[1]
  • 応急処置:
    • 針の除去: ミツバチは針を残すことが多いため、クレジットカードの角などで皮膚をこするようにして速やかに除去します。指でつまむと毒液をさらに注入する可能性があるため避けましょう[2]。スズメバチなどの針は残らないことがほとんどです。
    • 患部の洗浄と冷却: 清潔な水で洗い、冷やして痛みと腫れを和らげます。
    • 医療機関への受診: 全身症状が現れた場合は、一刻も早く救急車を呼ぶか、医療機関を受診してください。過去にハチに刺されてアレルギー反応を起こしたことがある方は、エピペン(アドレナリン自己注射薬)を携帯している場合があり、使用法を理解しておくことが重要です。
  • 医療機関での治療: 軽症の場合は抗ヒスタミン薬やステロイド薬が処方されます。アナフィラキシーショックの場合には、アドレナリン注射や輸液などの緊急治療が行われます。

ダニに刺された場合

ダニは、主に皮膚の柔らかい部分(脇の下、内股、腹部など)を刺し、吸血します。家ダニ(イエダニ、ツメダニなど)と屋外のダニ(マダニ)とでは、症状や危険性が大きく異なります。

症状と対処法

  • 家ダニ(イエダニ、ツメダニなど):
    • 症状: 赤い発疹やかゆみが数日〜1週間程度続きます。刺し口が2つ並んでいることが特徴的です。
    • 対処法: 市販のステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬で対処します。かゆみが強い場合は皮膚科を受診しましょう。
  • マダニ:
    • 症状: マダニは数日から1週間以上皮膚に食い込んで吸血し、吸血中はほとんど痛みを感じません。しかし、日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症を媒介する可能性があります[3]
    • 対処法: マダニを発見しても、無理に引き抜こうとしないでください。マダニの口器が皮膚に残ったり、病原体を注入したりするリスクがあります。速やかに皮膚科を受診し、専用の器具で除去してもらいましょう。

ノミに刺された場合

ノミは、主に足首や下腿部など、露出している部分を刺します。ペットを飼っている家庭で発生することが多いですが、野良猫や野良犬からも感染することがあります。

症状と対処法

  • 症状: 強いかゆみを伴う赤い発疹が複数、線状に並んで現れることが多いです。刺された跡は、中心に赤い点があり、その周りが赤く腫れる特徴があります。
  • 応急処置: 患部を清潔に保ち、市販のステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬を塗布します。
  • 医療機関での治療: かゆみが続く場合や、発疹が広がる場合は、皮膚科で診察を受けましょう。ノミの駆除も重要になります。

その他の虫刺され

上記以外にも、ブユ(ブヨ)、アブ、毛虫、ムカデなど、さまざまな虫が皮膚トラブルの原因となります。初診時に「これは何の虫刺されですか?」と相談される患者さまも少なくありません。

ブユ(ブヨ)に刺された場合

  • 症状: 刺された直後はかゆみが少ないですが、数時間後に強いかゆみと赤み、腫れ、水ぶくれが現れることがあります。治るまでに1週間以上かかることもあります。
  • 対処法: 患部を冷やし、ステロイド外用薬を塗布します。症状が強い場合は皮膚科を受診してください。

毛虫に触れた場合

  • 症状: 毛虫の毒針毛が皮膚に刺さることで、激しいかゆみを伴う赤いブツブツ(発疹)が広範囲に現れます。
  • 対処法: 粘着テープなどで毒針毛をそっと取り除き、流水で洗い流します。こすらないように注意し、ステロイド外用薬を塗布します。症状が改善しない場合は皮膚科を受診しましょう。

ムカデに噛まれた場合

  • 症状: 激しい痛みと腫れ、赤みが現れます。毒性によってはしびれや発熱を伴うこともあります。
  • 対処法: 患部を清潔な水で洗い、冷やします。抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬が有効ですが、痛みが強い場合や全身症状がある場合は医療機関を受診してください。

虫刺されの予防策とは?

虫刺されを避けるためには、いくつかの予防策が有効です。

  • 虫除けスプレーの使用: ディートやイカリジンなどの成分を含む虫除けスプレーを、肌の露出部分や衣服に塗布・噴霧します。
  • 長袖・長ズボンの着用: 特に草むらや森林に入る際は、肌の露出を減らす服装を心がけましょう。
  • 網戸や蚊帳の利用: 室内への虫の侵入を防ぎます。
  • 屋外活動時の注意: ハチの巣には近づかない、草むらや茂みにはむやみに立ち入らないなど、虫の生息場所を避ける工夫も重要です。

実際の診療では、虫刺されの予防が症状の重症化を防ぐ上で非常に重要なポイントになります。特に、アレルギー体質の方や小さなお子様には、積極的な予防策をおすすめしています。

⚠️ 注意点

虫刺されの症状は個人差が大きく、同じ虫に刺されても人によって反応が異なります。特に、全身症状(呼吸困難、意識障害、広範囲のじんましんなど)が現れた場合は、アナフィラキシーショックの可能性があり、命に関わるため、速やかに医療機関を受診してください。

アナフィラキシーショックとは
特定の物質(アレルゲン)が体内に入ることで、短時間のうちに全身に強いアレルギー反応が起こり、血圧低下や意識障害、呼吸困難などの症状が現れる非常に重篤な状態です。ハチ毒や食物などが原因となることがあります[1]
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは
SFTSウイルスによって引き起こされる感染症で、主にマダニによって媒介されます。発熱、消化器症状(食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、倦怠感、リンパ節腫脹などが主な症状で、重症化すると死亡することもあります[3]
虫の種類主な症状注意点
かゆみ、赤み、腫れかきむしりによる二次感染
ハチ激しい痛み、腫れ、アナフィラキシーショックの可能性全身症状に注意、緊急受診が必要な場合あり
家ダニ強いかゆみ、赤い発疹(2つ並ぶことが多い)寝具やカーペットの清掃が重要
マダニ吸血中は無症状、感染症媒介のリスク無理に除去せず医療機関へ、SFTSなどに注意
ノミ強いかゆみ、赤い発疹(線状に並ぶことが多い)ペットのノミ対策、室内清掃
ブユ(ブヨ)強いかゆみ、腫れ、水ぶくれ(症状が遅れて現れる)治癒に時間がかかる場合がある
毛虫激しいかゆみ、赤いブツブツ毒針毛の除去方法に注意
ムカデ激しい痛み、腫れ、しびれ全身症状に注意、医療機関受診を検討

まとめ

虫刺されの予防策と適切な対処法をまとめた情報図
虫刺され対処法の要点

虫刺されは身近なトラブルですが、その種類や症状は多岐にわたります。軽度なものであれば市販薬や応急処置で対応できますが、ハチ刺されによるアナフィラキシーショックやマダニによる感染症など、重篤な状態に繋がるケースも存在します。症状が強い場合、広範囲に及ぶ場合、または全身症状が現れた場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診することが重要です。適切な予防策を講じるとともに、いざという時の対処法を知っておくことで、虫刺されによる健康被害を最小限に抑えることができます。

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虫刺されに関するよくある疑問と専門家による回答
虫刺されのQ&A

よくある質問(FAQ)

虫刺されのかゆみがひどい場合、どうすればいいですか?
かゆみがひどい場合は、まず患部を冷やすことで炎症を抑え、かゆみを和らげることができます。市販のステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の塗布も有効です。かきむしると症状が悪化し、二次感染のリスクが高まるため、できるだけ避けましょう。症状が改善しない場合は、皮膚科を受診して適切な薬を処方してもらうことをおすすめします。
ハチに刺されたら、すぐに病院に行くべきですか?
ハチに刺された場合、特に過去にハチ刺されでアレルギー反応を起こしたことがある方や、全身にじんましん、呼吸困難、意識障害などの症状が現れた場合は、アナフィラキシーショックの可能性があるため、速やかに救急車を呼ぶか、緊急で医療機関を受診してください。局所的な腫れや痛みだけであれば、応急処置後に医療機関を受診して診察を受けることを検討しましょう。
マダニに刺された場合、自分で除去しても大丈夫ですか?
マダニに刺された場合、自分で無理に引き抜くのは避けてください。マダニの口器が皮膚に残って炎症を起こしたり、病原体を体内に注入して感染症のリスクを高めたりする可能性があります。速やかに皮膚科を受診し、医師に専用の器具で安全に除去してもらうことが重要です。除去後も、発熱などの症状がないか数週間は注意深く観察しましょう。
虫刺されの跡が残ってしまいましたが、どうすれば消えますか?
虫刺されの跡が残る主な原因は、かきむしりによる炎症後色素沈着や、皮膚の損傷によるものです。跡を残さないためには、まずかゆみを抑えてかきむしらないことが最も重要です。もし跡が残ってしまった場合は、市販の美白成分(ビタミンC誘導体など)配合のクリームを試すこともできますが、改善が見られない場合は皮膚科にご相談ください。レーザー治療やピーリングなどの選択肢が検討されることもあります。
この記事の監修医
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倉田照久
医療法人御照会 理事長・渋谷文化村通り皮膚科 院長