- ✓ 医療脱毛は、医療機関でのみ受けられる永久脱毛を目的とした施術です。
- ✓ レーザーや光エネルギーが毛根のメラニン色素に反応し、毛の再生組織を破壊することで効果を発揮します。
- ✓ 施術回数や期間は毛周期や部位によって異なり、複数回の施術が必要です。
医療脱毛の基礎知識とは?その仕組みと効果

医療脱毛は、医療機関でのみ提供される、毛の再生組織を破壊することで長期的な減毛効果を目指す医療行為です。エステサロンでの脱毛とは異なり、医療用レーザーや光脱毛機器を使用し、医師や看護師の監督のもとで施術が行われます。初診時に「エステ脱毛と何が違うの?」と相談される患者さまも少なくありませんが、この違いは使用する機器の出力と、それによって得られる効果の持続性にあります。
医療脱毛の定義とエステ脱毛との違いとは?
医療脱毛とは、高出力のレーザーや光エネルギーを用いて、毛根にある毛の成長に関わる組織(毛乳頭や毛母細胞など)を破壊する行為を指します。この組織を破壊することで、毛の再生を抑制し、長期的な減毛効果、いわゆる「永久脱毛」を目指します[1]。これに対し、エステサロンで行われる脱毛は、医療行為ではないため、毛の再生組織を破壊することはできません。エステ脱毛は、毛の成長を一時的に抑制する「減毛」や「抑毛」を目的としており、使用される機器の出力も医療機関のものより低く設定されています。
医療脱毛は、医師法に基づき医療従事者のみが行うことができ、万が一の肌トラブルが発生した場合でも、速やかに適切な処置や薬の処方が可能です。臨床の現場では、エステ脱毛で満足のいく効果が得られなかった方が、最終的に医療脱毛を選択されるケースをよく経験します。
- 永久脱毛
- 米国電気脱毛協会(American Electrology Association)によると、「最終脱毛から1ヶ月後の毛の再生率が20%以下である状態」と定義されています。つまり、完全に一本も生えてこなくなることではなく、長期的に毛が減少し、目立たなくなる状態を指します。
医療脱毛の主な種類とそれぞれの特徴は?
医療脱毛で使用されるレーザーにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる波長と特性を持っています。主なレーザーの種類と特徴は以下の通りです。
- アレキサンドライトレーザー: 波長755nm。日本人の肌質や毛質に最も適しているとされ、メラニン色素への吸収率が高いため、太く濃い毛に高い効果が期待できます。多くのクリニックで導入されている一般的なレーザーです[2]。
- ダイオードレーザー: 波長800〜810nm。アレキサンドライトレーザーよりもやや長く、メラニン色素への吸収率は中程度です。幅広い肌質や毛質に対応可能で、特に産毛や細い毛にも効果が期待できるとされています。蓄熱式脱毛(SHR方式)にも用いられ、比較的痛みが少ないという特徴があります[4]。
- YAGレーザー(ヤグレーザー): 波長1064nm。最も波長が長く、皮膚の深部まで到達するため、根深い毛や男性のヒゲなど、太くて硬い毛に効果的です。メラニン色素への吸収率が低いため、日焼けした肌や色黒の肌にも比較的安全に施術できるとされていますが、痛みが強く感じられることがあります[4]。
これらのレーザーは、患者さまの肌質、毛質、脱毛部位、痛みの感じ方などを考慮して選択されます。当院では、患者さまの毛の状態を診察し、最適なレーザーの種類や設定を提案しています。
医療脱毛の仕組みと効果はどのように発揮される?
医療脱毛の基本的な仕組みは、レーザーや光エネルギーが毛の黒い色素であるメラニンに選択的に吸収されるという原理に基づいています。吸収されたエネルギーは熱に変換され、毛根にある毛乳頭や毛母細胞といった毛の再生に関わる組織にダメージを与え、破壊します[1]。
この破壊された毛包からは毛が再生されにくくなるため、長期的な脱毛効果が得られます。しかし、一度の施術で全ての毛根を破壊することはできません。これは、毛には「毛周期」と呼ばれる成長サイクルがあり、レーザーが効果を発揮するのは、メラニン色素が豊富で毛根が皮膚の深部に位置する「成長期」の毛に限られるためです[2]。
毛周期には成長期、退行期、休止期があり、常に全ての毛が成長期にあるわけではありません。そのため、医療脱毛は複数回の施術を、毛周期に合わせて一定の間隔を空けて行う必要があります。一般的に、5回から8回程度の施術で満足のいく効果が期待できるとされていますが、個人差や部位によって回数は異なります[3]。治療を始めて数ヶ月ほどで「毛が細くなってきた」「生えてくるスピードが遅くなった」とおっしゃる方が多いです。
医療脱毛は医療行為であり、必ずしも「完全に一本も生えてこなくなる」ことを保証するものではありません。長期的な減毛効果を目指すものであり、個人差や毛質、肌質によって効果の出方には違いがあります。また、施術にはリスクも伴うため、事前のカウンセリングで十分に説明を受け、納得した上で施術を受けることが重要です。
部位別の医療脱毛:全身からデリケートゾーンまで

医療脱毛は、顔から足の先まで、ほぼ全身の部位に対応可能です。部位によって毛の質や密度、皮膚の厚さが異なるため、それぞれに適した施術方法や注意点があります。実際の診療では、患者さまの希望部位を詳しくヒアリングし、その部位の特性を考慮した上で最適なプランを提案することが重要なポイントになります。
顔脱毛のメリットと注意点とは?
顔脱毛は、産毛がなくなることで肌のトーンアップ効果や化粧ノリの改善が期待できるため、当院でも人気の高い部位です。特に女性の患者さまからは「ファンデーションの厚塗りが減った」「肌が明るくなった」というお声をよく聞きます。しかし、顔の皮膚は薄くデリケートであるため、慎重な施術が求められます。
- メリット: 化粧ノリの向上、肌のトーンアップ、毛穴の目立ちにくさ、自己処理による肌トラブル(カミソリ負けなど)の軽減。
- 注意点: 産毛はメラニン色素が薄いため、太い毛に比べて効果が出にくい場合があります。また、日焼けしやすい部位であるため、施術前後の紫外線対策が非常に重要です。目の周りなど、レーザーを照射できない範囲もあります。
VIO脱毛(デリケートゾーン)のメリットと施術の流れは?
VIO脱毛は、デリケートゾーンのムダ毛を処理する施術で、衛生面の向上やファッションの自由度を高める目的で選ばれる方が増えています。特に夏場や水着を着る機会が多い季節には、当院でもVIO脱毛の相談が増加します。
- メリット: 生理中の不快感軽減、かぶれや蒸れの防止、自己処理による肌トラブルの回避、下着や水着着用時の見た目の改善。
- 施術の流れ: 事前のカウンセリングでデザインの希望を詳しく伺います。施術前にはご自身でのシェービングが必要ですが、届かない範囲はクリニックで剃毛をサポートすることもあります。施術中はデリケートな部位であるため、プライバシーに配慮し、痛みを軽減するための工夫(冷却や麻酔クリームの使用など)を行います。
VIOは毛が太く密集しているため、他の部位に比べて痛みを強く感じやすい傾向があります。そのため、痛みに不安がある場合は、麻酔の使用について事前に相談することが推奨されます。
全身脱毛と部分脱毛、どちらを選ぶべき?
全身脱毛は、顔から足の先まで広範囲のムダ毛をまとめて処理するプランです。部分脱毛は、特定の部位(例: 脇、腕、足など)のみを対象とします。どちらを選ぶかは、患者さまのライフスタイル、予算、脱毛したい範囲によって異なります。
| 項目 | 全身脱毛 | 部分脱毛 |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 広範囲(顔・VIO含むことが多い) | 特定の部位のみ |
| 費用 | 総額は高くなる傾向 | 一回あたりの費用は安い傾向 |
| 施術期間 | 長期間にわたる | 比較的短期間で完了可能 |
| 満足度 | 自己処理の手間が大幅に減少、全体的な美肌効果 | 気になる部分のみの改善 |
全身脱毛は、一度に広範囲を処理できるため、結果的に自己処理の手間が大幅に減り、全体的な美肌効果を実感しやすいというメリットがあります。一方で、費用が高額になりがちで、施術期間も長くなります。部分脱毛は、費用を抑えつつ、特に気になる部位から始めたい方におすすめです。しかし、後から他の部位も追加すると、結果的に全身脱毛よりも費用がかさんでしまうケースもあります。当院では、患者さまの希望や予算、将来的な計画を考慮し、最適なプランを一緒に検討しています。
まとめ

医療脱毛は、医療機関で高出力レーザーや光を用いて毛の再生組織を破壊し、長期的な減毛効果を目指す医療行為です。エステ脱毛とは異なり、永久脱毛効果が期待でき、万が一の肌トラブルにも医療的な対応が可能です。アレキサンドライト、ダイオード、YAGといった様々な種類のレーザーがあり、患者さまの肌質や毛質、部位によって最適なものが選択されます。施術は毛周期に合わせて複数回行う必要があり、顔やVIOなどデリケートな部位では特に丁寧なカウンセリングと施術が求められます。全身脱毛と部分脱毛は、それぞれメリット・デメリットがあり、個々のニーズに合わせて選択することが重要です。
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- Stephanie D Gan, Emmy M Graber. Laser hair removal: a review.. Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]. 2013. PMID: 23332016. DOI: 10.1111/dsu.12116
- Mandy M Thomas, Nicolette N Houreld. The “in’s and outs” of laser hair removal: a mini review.. Journal of cosmetic and laser therapy : official publication of the European Society for Laser Dermatology. 2020. PMID: 31018716. DOI: 10.1080/14764172.2019.1605449
- Cindy Na-Young Kang, Monica Shah, Charles Lynde et al.. Hair Removal Practices: A Literature Review.. Skin therapy letter. 2021. PMID: 34524781
- Omar A Ibrahimi, Mathew M Avram, C William Hanke et al.. Laser hair removal.. Dermatologic therapy. 2011. PMID: 21276162. DOI: 10.1111/j.1529-8019.2010.01382.x
