皮膚科 外用薬 内服薬

【皮膚科 外用薬 内服薬】|皮膚科 外用薬・内服薬の基礎知識と活用法

最終更新日: 2026-04-15
📋 この記事のポイント
  • ✓ 皮膚科治療では、外用薬と内服薬が症状や疾患に応じて使い分けられます。
  • ✓ ドボベットは尋常性乾癬に、ミヤBMは腸内環境改善に、漢方薬は体質改善に用いられます。
  • ✓ 薬剤の選択や使用方法は専門医の診断に基づき、正しく理解して使用することが重要です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

皮膚科領域における治療では、症状や疾患の種類、重症度に応じて様々な外用薬や内服薬が用いられます。これらの薬剤は、皮膚の炎症を抑えたり、細菌や真菌の増殖を抑制したり、全身の免疫系に作用したりすることで、皮膚疾患の改善を目指します。適切な薬剤の選択と正しい使用方法を理解することは、治療効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを低減するために非常に重要です。

ドボベット(カルシポトリオール・BDP配合)とは?尋常性乾癬治療における役割

ドボベット軟膏を指先に出し、尋常性乾癬の患部に塗布する皮膚科治療の様子
ドボベット軟膏の塗布

ドボベット軟膏およびゲルは、尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)の治療に用いられる外用薬です。この薬剤は、活性型ビタミンD3誘導体であるカルシポトリオールと、強力なステロイドであるベタメタゾンプロピオン酸エステル(BDP)の2つの有効成分を配合しています。尋常性乾癬は、皮膚の細胞が異常に増殖し、炎症を伴う慢性的な自己免疫疾患であり、赤みのある盛り上がった皮疹(紅斑)や銀白色のフケのような鱗屑(りんせつ)が特徴です。

ドボベットの作用機序と効果

ドボベットに含まれるカルシポトリオールは、皮膚細胞の異常な増殖を抑制し、正常な分化を促進する作用があります。これにより、乾癬の病態である表皮細胞の過剰なターンオーバーを正常化へと導きます。一方、ベタメタゾンプロピオン酸エステルは、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持ち、乾癬に伴う皮膚の赤みやかゆみといった炎症症状を速やかに軽減します。これら2つの成分が相乗的に作用することで、尋常性乾癬の皮疹を効果的に改善することが期待されます。

臨床の現場では、ドボベットを使用し始めて数週間で皮疹の厚みや赤みが明らかに軽減され、「かゆみが楽になった」「皮膚がなめらかになった」とおっしゃる患者さまが多くいらっしゃいます。特に、ステロイド単独療法よりも効果が高く、ビタミンD3誘導体単独療法よりも速効性がある点が評価されています。

使用方法と注意点

ドボベットは、通常1日1回、患部に適量を塗布します。広範囲にわたる使用や長期連用は、ステロイドの副作用(皮膚の萎縮、毛細血管拡張など)やカルシポトリオールの副作用(高カルシウム血症)のリスクを高める可能性があるため、医師の指示に従って正しく使用することが重要です。特に、顔面や皮膚の薄い部位への使用は慎重に行う必要があります。妊娠中の使用については、動物実験で胎児への影響が報告されているため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用が検討されます[3]

⚠️ 注意点

ドボベットは強力な薬剤であるため、自己判断での使用中止や塗布量の変更は避けてください。必ず医師の指示に従い、定期的な診察を受けることが重要です。

ミヤBM(酪酸菌)とは?腸内環境と皮膚疾患の関係性

ミヤBMは、酪酸菌(C. butyricum MIYAIRI 588株)を主成分とする整腸剤です。酪酸菌は、腸内で酪酸という短鎖脂肪酸を産生することで知られており、この酪酸が腸内環境の改善に重要な役割を果たすと考えられています。近年、腸内環境と皮膚疾患との関連性が注目されており、アトピー性皮膚炎やニキビなどの皮膚トラブルの改善に、腸内フローラの調整が寄与する可能性が示唆されています。

酪酸菌の腸内での働き

酪酸は、大腸のエネルギー源となる主要な短鎖脂肪酸であり、腸管のバリア機能を強化し、炎症を抑制する作用があるとされています。また、腸内細菌叢のバランスを整えることで、悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌が優勢な環境を作り出します。健康な腸内環境は、免疫機能の正常化にも繋がり、全身の健康維持に貢献します。

当院では、アトピー性皮膚炎や慢性的なニキビで来院される患者さまに、腸内環境の改善を目的としてミヤBMを処方することがあります。特に、便秘や下痢といった消化器症状を伴う方の場合、ミヤBMの服用によって「お腹の調子が良くなっただけでなく、肌の調子も安定してきた」と報告されるケースをよく経験します。

皮膚疾患への間接的な効果

腸内環境の乱れは、全身の炎症反応や免疫系の異常を引き起こす可能性があり、これが皮膚疾患の悪化要因となることも考えられています。ミヤBMによる腸内環境の改善は、これらの全身的な影響を緩和し、間接的に皮膚疾患の症状を和らげる効果が期待されます。例えば、アトピー性皮膚炎の患者さんでは、腸内細菌叢の多様性が低いことが報告されており、酪酸菌のようなプロバイオティクスが症状改善に役立つ可能性が研究されています。

短鎖脂肪酸(Short-Chain Fatty Acids: SCFAs)
腸内細菌が食物繊維などを発酵させることで産生される有機酸の総称。酪酸、酢酸、プロピオン酸などがあり、腸管の健康維持や免疫調節に重要な役割を果たす。

十味敗毒湯とは?皮膚科領域における漢方薬の活用

十味敗毒湯の生薬が並べられ、皮膚科領域の漢方薬として調合される様子
十味敗毒湯の生薬と漢方薬

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)は、江戸時代の医師である華岡青洲(はなおかせいしゅう)が考案した漢方薬で、皮膚の炎症や化膿性疾患に広く用いられてきました。この漢方薬は、体内の「毒」を排出し、炎症を鎮めることを目的としており、特に化膿性の皮膚疾患や湿疹、じんましんなどに適用されます。

十味敗毒湯の構成生薬と作用

十味敗毒湯は、以下の10種類の生薬から構成されています。

  • 柴胡(サイコ):炎症を鎮め、免疫を調整する。
  • 桔梗(キキョウ):排膿作用、鎮咳作用。
  • 川芎(センキュウ):血行促進作用、鎮痛作用。
  • 茯苓(ブクリョウ):利尿作用、精神安定作用。
  • 防風(ボウフウ):発汗・解熱作用、鎮痛作用。
  • 荊芥(ケイガイ):発汗・解熱作用、抗アレルギー作用。
  • 独活(ドクカツ):鎮痛作用、抗炎症作用。
  • 甘草(カンゾウ):抗炎症作用、解毒作用。
  • 生姜(ショウキョウ):体を温める作用、消化促進作用。
  • 桜皮(オウヒ):抗炎症作用、鎮咳作用。

これらの生薬が複合的に作用することで、体内の余分な熱や湿を取り除き、血行を改善し、皮膚の炎症を鎮める効果が期待されます。特に、化膿性のニキビや湿疹、アトピー性皮膚炎の急性期で炎症が強い場合などに用いられることがあります。

初診時に「抗生物質を飲んでもなかなか治らないニキビが気になる」と相談される患者さまも少なくありません。そのような場合、十味敗毒湯を併用することで、炎症が落ち着き、治癒が早まるケースを経験しています。漢方薬は体質改善を目的とするため、効果を実感するまでに時間がかかることもありますが、西洋薬との併用で相乗効果が期待できる場合があります。

適用疾患と注意点

十味敗毒湯は、主に以下のような皮膚疾患に適用されることがあります。

  • 化膿性ニキビ
  • 湿疹・皮膚炎
  • アトピー性皮膚炎(炎症が強い時期)
  • じんましん

副作用としては、胃部不快感や食欲不振などが報告されることがありますが、比較的少ないとされています。ただし、甘草が含まれているため、長期連用や他の甘草含有製剤との併用には注意が必要です。高血圧やむくみのある方は、医師に相談してください。

芍薬甘草湯とは?皮膚科での使用例と作用

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、芍薬(しゃくやく)と甘草(かんぞう)の2つの生薬からなる漢方薬です。この漢方薬は、その強力な鎮痙(ちんけい)作用により、急な筋肉のけいれんや痛みを和らげる目的で広く用いられています。皮膚科領域では、特定の症状や副作用の軽減に活用されることがあります。

芍薬甘草湯の作用機序

芍薬甘草湯の主成分である芍薬には、筋肉の緊張を緩和し、血管を広げる作用があるとされています。一方、甘草には抗炎症作用や鎮痛作用があり、芍薬の作用を補強する形で効果を発揮します。この組み合わせにより、急性の痛みやけいれんを速やかに鎮めることが期待されます。

実際の診療では、足がつる「こむら返り」の症状で「夜中に急に激痛が走って目が覚める」と訴える患者さまに芍薬甘草湯を頓服薬として処方することがあります。服用後、比較的短時間で症状が改善することが多く、患者さまのQOL向上に貢献していると感じています。皮膚科の文脈では、薬剤の副作用による筋肉のけいれんや、帯状疱疹後の神経痛など、急性の痛みに対応する補助療法として検討されることがあります。

皮膚科での使用例

芍薬甘草湯は、直接的な皮膚疾患の治療薬としてではなく、以下のような状況で補助的に用いられることがあります。

  • こむら返り(足のつり):特に夜間や運動中に起こる急な筋肉のけいれんに対して、即効性が期待できます。
  • 薬剤による筋肉のけいれん:一部の薬剤の副作用として筋肉のけいれんが起こることがあり、その緩和に用いられることがあります。
  • 帯状疱疹後の神経痛:急性期の痛みの緩和に補助的に用いられる可能性がありますが、主な治療薬ではありません。

注意すべき副作用

芍薬甘草湯は即効性がある一方で、甘草の含有量が多いことから、長期連用や大量服用には注意が必要です。主な副作用として、偽アルドステロン症(血圧上昇、むくみ、手足のだるさなど)が挙げられます。特に高齢者や心臓・腎臓に疾患のある方は、服用前に必ず医師や薬剤師に相談してください。また、他の漢方薬や薬剤との併用により、甘草の過剰摂取となる可能性もあるため、服用中の薬はすべて医師に伝えることが重要です。

防風通聖散とは?肥満に伴う皮膚症状へのアプローチ

防風通聖散の錠剤とパッケージ、肥満に伴う皮膚症状への内服薬アプローチ
防風通聖散の錠剤

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、18種類の生薬から構成される漢方薬で、体格が良く、お腹周りに脂肪がつきやすい、いわゆる「実証」タイプの肥満症に用いられます。この漢方薬は、体内の余分な熱や水分、老廃物を排出し、代謝を促進することで、肥満に伴う様々な症状の改善を目指します。皮膚科領域では、肥満が関与する皮膚疾患や、体質改善の一環として処方されることがあります。

防風通聖散の多角的な作用

防風通聖散は、非常に多くの生薬を含むため、その作用も多岐にわたります。主な作用としては、以下の点が挙げられます。

  • 発汗・利尿作用:体内の余分な水分や老廃物を排出します。
  • 便通改善作用:排便を促し、宿便を取り除くことで、デトックス効果が期待されます。
  • 抗炎症作用:体内の炎症を鎮める効果があるとされます。
  • 脂質代謝改善作用:脂肪の分解・燃焼を促進し、肥満の改善に寄与する可能性が示唆されています。

これらの作用により、肥満に伴う高血圧や便秘、むくみ、そして皮膚の炎症やかゆみといった症状の改善が期待されます。特に、皮脂の分泌が多く、ニキビや湿疹ができやすい体質の方に処方されることがあります。

診察の中で、肥満体型で顔や背中にニキビが多く、便秘がちという患者さまには、防風通聖散を提案することがあります。治療を始めて数ヶ月ほどで「体重が少し減っただけでなく、便通が良くなって肌のベタつきが減った」とおっしゃる方が多いです。漢方薬は体質改善を促すため、すぐに効果が出なくても継続が重要なポイントになります。

適応と副作用

防風通聖散は、体力があり、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな方に適しています。具体的には、以下のような症状に用いられることがあります。

  • 肥満症
  • 高血圧に伴う動悸・肩こり・のぼせ
  • 便秘
  • むくみ
  • ニキビ・湿疹

多くの生薬を含むため、副作用も比較的多く報告されています。胃部不快感、下痢、発疹、肝機能障害などが挙げられます。また、高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能亢進症などの持病がある方は、服用前に必ず医師に相談が必要です。特に、甘草が含まれているため、芍薬甘草湯と同様に偽アルドステロン症のリスクにも注意が必要です。

まとめ

皮膚科の治療では、外用薬と内服薬が症状や疾患の特性に応じて適切に選択されます。ドボベットのような強力な外用薬は尋常性乾癬の炎症と細胞増殖を抑制し、ミヤBMのような整腸剤は腸内環境を整えることで皮膚疾患の間接的な改善に寄与します。また、十味敗毒湯、芍薬甘草湯、防風通聖散といった漢方薬は、それぞれの体質や症状に合わせて、西洋薬ではカバーしきれない側面から治療をサポートします。これらの薬剤は、いずれも専門医の診断と指導のもとで正しく使用することが重要であり、自己判断での使用は避けるべきです。適切な治療計画と薬剤の理解が、皮膚疾患の改善へと繋がります。

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よくある質問(FAQ)

皮膚科の外用薬と内服薬はどのように使い分けられますか?
外用薬は主に皮膚の表面的な症状や局所的な炎症に対して用いられ、内服薬は全身性の疾患や広範囲にわたる症状、または外用薬では効果が不十分な場合に選択されます。疾患の種類、重症度、患者様の体質などを総合的に判断し、医師が最適な治療法を提案します。
漢方薬はどのような皮膚疾患に効果が期待できますか?
漢方薬は、個々の患者様の体質や症状に合わせて処方され、西洋医学的な診断名にとらわれずに使用されることがあります。例えば、十味敗毒湯は化膿性ニキビや湿疹に、防風通聖散は肥満に伴う皮膚症状に、芍薬甘草湯は筋肉のけいれんによる痛みに補助的に用いられることがあります。体質改善を目的とするため、効果には個人差があります。
妊娠中や授乳中に使用できる皮膚科の薬はありますか?
妊娠中や授乳中の薬の使用は、胎児や乳児への影響を考慮して慎重に行われます。例えば、ドボベットのような強力なステロイドとビタミンD3誘導体の配合剤は、妊娠中の使用は治療上の有益性が危険性を上回る場合に限られます[3]。必ず医師に妊娠・授乳の有無を伝え、安全性が確認された薬剤や治療法を選択してもらうことが重要です。
市販薬と処方薬の違いは何ですか?
市販薬(OTC医薬品)は薬局などで購入でき、比較的軽度な症状に対応します。処方薬は医師の診察と処方箋が必要で、有効成分の濃度が高かったり、より専門的な疾患に対応したりするため、効果も強い傾向にあります。自己判断で市販薬を使用し続けるよりも、症状が改善しない場合は早めに皮膚科を受診し、適切な診断と処方薬による治療を受けることを推奨します。
この記事の監修医
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